2009/08/31

インド紀行11

バナラシにはゴミ箱がない
どこに捨てたらいい?と町の人に聞くと
「その辺に捨てろ」と言われる
煙草もその辺に捨てる
朝早くにほうきを持っている少年が町のごみを集めているのを何度か見かけた
多分そういう仕事なんだろう
けれどそんなことだけじゃ全てのごみはなくならないので町は汚い
人間は生き生きしているけれど
これはどうにかならないものかと思った
ペットボトルなど土に還らないゴミも多い
牛の糞は仕方ないとして

身なりの良い人はほとんど携帯電話を持っていて
確実にインドは発展している
10年前に携帯電話を持っている人には一度も会わなかった
物質的に豊かになると
日本がそうであるように
心が貧しく痩せ細っていってしまう
10年後もこの人たちは生き生きしているだろうか

バナラシは雨期になると町中は水浸しになって
足のすねのところぐらいまで水が溜まるという
そんな中で歩くのは本当に気が滅入るだろうなと思った
衛生状態は最悪だろう
僕が行ったのも雨期だったけれどほとんど雨は降っていなかった

町の中にムスリム街がある
本当に綺麗に別れている
けれどもほとんど衝突は起きないらしい
「ムサルマン(インドの人たちはムスリムをこう呼ぶ)とはうまくやっている」のだそうだ
ムスリムは牛を食べる
ヒンドゥーは牛を食べない
インドで食べられている牛は水牛だと思うのだけれどその辺を歩いている牛もほとんどが水牛だ
どこかに屠殺場があるのかもしれないけれど
インド人は誰も知らない
シヴァ神の使いのナンディが牛であるからインド人は牛を大切にしているというのが建前だけれど
実際は牛を叩いたり
レンガを投げつけたりと
なかなかにひどい扱いだ
だからその辺の牛が密かに殺されて食べられていたとしても暗黙の了解か
もしくはあまり気にしていないのかもしれない
ただその事実が公になった時には大事になるかもしれない
自分たちには甘く外国人や他の思想を持った人には厳しいのがインド人の印象だ(表面的には外国人にも優しいけれど)

逆にムスリムは豚を不浄として食べない
インド人もベジタリアンが多いので好んでは食べないようだけれど
旅行者用に調理して出しているところが何軒かある
そのうちの1軒でとんかつを食べてみた
味はとんかつっぽかった
ただ肉は真っ黒で薄く
本当に豚肉かどうかは分からなかった

インド人同士の喧嘩を見た
平手でたたいていた
そんなに力も入れていない
本気で怒っているのに
日本だったらグーだろう

夜バナラシを発った
駅では何度も停電になって焦った
停電になった状態で電車が入ってきたらその電車にちゃんと乗り込めるかどうか不安だった
電車は1時間以上遅れたが無事に乗り込めた
ペットボトルのリサイクルをしているというビジネスマンと話をした
「中国と韓国の成長はすごいね
日本はもうだめだね」というようなことを言われた
他にも宗教のこといろいろ
お腹が痛かった
14時間電車に乗った
駅につくたびに物売りの大きな声や物乞いが来てなかなか眠れない
何度も電車が止まる
ハウラー駅は目の前なのになかなか着かない
昼にようやくコルカタに着いた

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