2010/05/24

生姜焼きトリップ

小さい頃から外食が嫌で
最初それは贅沢が嫌なんだと思っていたけれど
よくよく考えるとそうでもなく
家族が揃っていない外食が嫌だったのだ
例えば塾の帰りに父親と二人でお寿司を食べに行った時
嫌だ嫌だと言っても聞いてくれなくて無理に連れて行かれ
結局一番安いかっぱ巻きしか食べなかった
両親の買い物について行った時
デパートのレストランで昼を食べようと言われて
食べたくないと地べたに座ってダダをこねた
普通は逆なんだろうな
けれどその子は自分だけ特別なことをしているのが申し訳なかったのだ
特におばあちゃんに対して

その子と同じ年くらいのどこか他所の国で暮らしている子は
ご飯も食べられないような生活を送っていて
両親だっていなくて
そんな様子を聞いて

「その子とあなたは繋がっているのよ
そしてあなたがあなたらしく生きていくことが
その子たちのためになるの」
と言われて
果たして納得するだろうか

どこかの国で戦争で苦しんでいる子がいて
それもまた同じように
「あなたの身の回りの人を大切にすることが
その子たちのためになるし
やがて平和に繋がるのよ」
と言われて
本当にそれで平和な世の中がやってくるのだろうか

その子はだんだん小さくなっていく
自分らしさについて考えながら答えが出ないまま

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