2009/06/25

そういう仕事

プールの季節になってしまった
僕は水は好きだけれど
水のたまっているところが好きじゃない
水たまり 池 沼 海・・・
そしてプール

水中に
水底に
何か得体のしれないものがいるのではないかと想像して
ぞっとするのだ

けれどもこの季節
週に1度はプールに入らなければならない
プールサイドに腰掛けて
足が浸かるくらいで済ませようと思っていて
2回はそれでやり過ごした
けれども3回目の今日
ついに足をつかまれ子どもたちにプールの中へと引きずり込まれた
体に5人くらいがへばりつき
僕は死の危険を感じた
可愛らしい声で笑いながら
「しずめちゃえ」
っていうのがとても恐ろしく聞こえた
無邪気なものほど恐ろしい

そして自分を解放してくれることを条件に
子どもたちを放り投げることにする
10人くらいが列をなし
僕はひたすら子どもたちをいろんな体勢でかついでは
プールに放りこむのだ
時間が来るまで

だんだん意識が遠のき
ライ麦畑でつかまえてを想像し
僕はただ子どもを放り込む側の仕事をしている人間なんだと思うことにした

水の中に棲む得体のしれない物とは
彼らのことなのかもしれない
水の中でやりたい放題

端の方で静かにしゃがんでいる子は
確実に用を足している

そういう光景を目にすると
僕はゆっくりと水から上がることにしている

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