2010/06/03

灰色の人参

怒鳴りたくないのに怒鳴らざるをえない時
怒鳴られた方は勿論嫌だろうけれど
怒鳴った方だって嫌な気分になる

そういう時はおでこの内っかわ辺りに
もやもやと灰色のかたまりができて
なかなか晴れない

溜め息が多くなる
溜め息の数だけ灰色のかたまりが出て
その内すっかり無くなってくれたらいいと思うのに

曇りの日は
いろんな人が溜め息ついているのかなと夢想する

今この瞬間
想像と現実との区別はついているけれど

現実が過去になっていくにつれて
それが本当にあったことなのか
想像していたことなのか曖昧となってくる

本人だって分からないのだから
それは嘘って言わないでしょ?

今日は採用試験を受けた会場の近くへ研修に行った
もう6年くらい前の話だけれど
今でも何故に自分が合格したのか分からない

1次試験の感動体験の発表では
インドの素晴らしさについて語って
「日本よりもインドがいいわけ?」
って突っ込まれた
筆記試験は早く終わって余裕をかましていたら
終わりの5分で裏面があることに気がつき
全体の半分もできずに終わった

にも関わらず1次試験は合格していて
2次試験では小論文で3つのテーマ全ての結論を
無理矢理自分の持論に繋げた
集団討議では
誰も何も言わないから
最初に自分の意見を言ってみたら
次々に反論され
意見を言っていない人が優先的に指名されるから
反論しようにも既に話が別のところにいっていてできず消化不良のまま終了
あとだしじゃんけんやん
模擬授業では笑いだけとって中身なし
だって授業をしたことないもの

手応えのないまま終わって
唯一心当たりがあるとしたら
帰り道に民家の軒先でバドミントンをしている子どもたちがいて
その子たちがシャトルを屋根に上げてしまい
取ろうしても高くて取れず
僕がそこを横切った時にラケットを借りてジャンプして取ってあげたこと
あの子たちは実はさくらで
そこを通る受験生の反応を毎回見ていたんじゃないかと思う

今日同じ道を懐かしみながら歩いていった

ラーメン屋に2軒行き
美術館えきでやっている植田正治展を見てきた
見ていて自然と頬が緩んでいたり目頭が熱くなってきた
くったくのない子どもたちの笑顔が
灰色のもやもやを全部取り除いてくれた

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